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時は西暦2100年。22世紀が始まったばかり。日本の人口はおよそ五千万人。そのうち半数が65歳以上の高齢者だ。医学の進歩で、再生医療も保険適用で普通に使えるようになり、日本人は120歳まで普通に生きられるようになった。体力的にも80歳まで働ける人が多く、社会保障の仕組みも2000年ごろとは大きく変わっている。

高齢者の介護はほとんどロボットに任されている。紙オムツの中にセンサーがあり、センサーが水分を検知すると、オムツ替えロボットがやって来て、さっと新しい紙オムツと取り替える。食事もロボットが一口一口スプーンで老人の口元に食べ物を運び、飲み込むのを待ってから、次のおかずをスプーンですくう。介護の予算は大幅な人件費の削減で、毎年黒字となっている。

憲法の改正は国民の強い反対で見送られ、日本国憲法第9条を死守する日本は、世界中の国から今ではリスペクトされ、自衛隊のような防衛に特化した軍隊を持つことは、海外から手本にされて、多くの国が日本を真似ている。

しかし、核兵器はいまだに中国はじめいくつかの国で保有され、日本も対中国のために多国籍軍の応援が欲しくなった。そこで編み出されたのが、「アジアユニオン」だ。ミリタリーだけでなく、政治的にも、経済的にも、アジアの各国が同盟を結び、結束して、中国に備えるべきだという綱領の元に結成された。通貨をまずアジア専用の「ミノア」に統一した。アジアユニオンのメンバー国は、まず、日本、台湾、フィリピン、シンガポール、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、南北朝鮮だ。

南北朝鮮は、北朝鮮と韓国が2050年に合併した。北朝鮮では金正恩の死後、選挙で国家元首を決めることになり、民主主義が一応形作られた。そして、議会で韓国との合併が決まった。首都はソウルとなり、副首都が平壌となった。そして、2100年にはアジアユニオンに加盟し、通貨は「ミノア」となった。しかし、北朝鮮は社会主義、南朝鮮(韓国)は資本主義である。

中国と北朝鮮の癒着を懸念したリーダー国である日本は、北朝鮮の元首イ・ボンナムに、「中国と接触をとったら、アジアユニオンから追放する。」と書いた念書に署名させた。

アジアユニオンは中国にとって、目の上のタンコブであった。中国は、アメリカに近づき、アジアユニオンに貿易上で圧力をかけることに協力せよと言ったが、アメリカ大統領は、アジアユニオンの代表国、日本にこれまで外交上の恩があり、また、憲法9条を死守する日本の姿勢に一目置いているので、そうやすやすと日本を裏切って、中国に加担する理由はない。アジアユニオンのリーダー国におさまっている日本に対して、リスペクトを払っているのは、アメリカだけではなかった。ヨーロッパの国々も、アジアユニオンがヨーロッパユニオンを参考にして結成されたことに大いに親近感を持っていた。

アジアユニオンの加盟国は、お互いの国を自由にパスポートなしで行き来ができる。日本にはアジアの各国から労働者や学生がますます増え、活発に交流している。日本からも多くの資本がアジアユニオンに流れ、途上国であった多くの国のインフラも整った。中国資本を追い出して、日本が中心となって、アジア各国を豊かに、そして便利に変えていった。

アメリカ軍の基地が日本各地にあった頃に比べると、アメリカ軍は日本から撤退して、随分、アジアには手薄となっている。韓国からもアメリカ軍は撤退し、アジア各国のアメリカ軍も本国へ帰った。その代わり、各国の防衛に特化した自衛隊のような国軍が各国に配備されている。今や、アジアユニオン各国では軍事費は必要悪とされ、多くの国がアメリカから飛行機を買い、日本は潜水艦や空母を輸出している。そして、アジア軍として、いざという時には力を合わせてアジアを守るべく、訓練を続けている。

そんなアジアユニオンの結成を面白く思わないのが、日本の保守、極右グループである「日本会議」のメンバーだ。天皇を中心とする日本古来の日本のあるべき姿が失われるとして、アジアユニオンの解体、強いてはアジアユニオンからの日本の脱退を目指している。しかし、彼らの意見は、2100年という時代の流れには合うものではなかった。かなり、古臭い考え方であった。アジアユニオンなしで、中国から国を守るのは至難の技。アジアユニオンは今の所、よく機能しており、今更日本が脱退するというのは極論だった。

しかし、かつての安倍一強のような、保守政権を今一度作りたいと願う右翼は、秘密結社やデモ行進を繰り返し、若者を刺激して、

「国を守るのは国民の義務だ。若者よ、中国と戦って、大和魂の誇りを取り戻そうぞ。」

と、旭日旗の元に集会を繰り返していた。その旭日旗の集会をインターネットで見た南北朝鮮の若者たちが、日本をアジアユニオンのリーダーに据え置くのは面白くないとして、反日デモを始めた。反日デモは南北朝鮮の国土中に広がって、ますます激しくなった。

北朝鮮の元首イ・ボンナムは、高まる反日デモを理由に、中国ととうとう密会した。アジアユニオンからの追放は覚悟の上だった。中国の元首、張砲台は、北朝鮮に外貨、元を与え、秘密裏に日本に向かって核弾頭のついたミサイルを撃つように言った。イ・ボンナムは、中華元を受け取り、中国の指示通りにすると約束した。北朝鮮はすべてのミサイルを放棄したと言っていたが、密かに数発を隠し持っていたのだ。

日本は何も知らなかった。ちょうど台湾の首相が来日しており、総理大臣とアジアユニオンの今後の展望について話し合っていた。そこへ、ミサイルが放たれた。北海道の北部を狙って撃たれた核弾頭だった。自衛隊がミサイルを探知し、急遽、追撃ミサイルが撃たれ、核弾頭は日本海沖に撃ち落とされた。しかし、核を積んでいるので、大きなキノコ雲と一緒に放射能が日本海に放たれた。

北朝鮮の仕業だとわかると、日本は南朝鮮と北朝鮮をアジアユニオンから追放し、アメリカに急ぎ伝令を送り、核兵器を北朝鮮に撃ってくれるよう頼んだ。アメリカは裏に中国がいることを察知していた。アメリカは北朝鮮を攻撃したら、中国と戦争になるとして、日本の申し出を断った。

アジアユニオンは、アジア軍を結成し、北朝鮮に向かった。南朝鮮がまずアジア軍に攻撃してきた。アジア軍の軍用機が数機、撃ち落とされた。しかし、アジア軍も南朝鮮の軍用機を攻撃した。そこへ、アメリカ軍が助けに入った。アメリカは、南北朝鮮の副首都平壌に、ミサイルを撃ち込んだ。そして、中国が反応しないように、そっと本国へ帰った。

日本に来日していた台湾の首相は、中国の元首、張砲台に直接会って、日本との橋渡しをしてくれた。中国は、旭日旗を使うことを法律で禁じるよう、日本に求め、南朝鮮と北朝鮮には、反日デモを戦争までエスカレートさせた責任を責めた。そして、台湾のアドバイスのもと、アジアユニオンと南北朝鮮の戦争は未然に抑えられた。日本海は放射能で汚染されたが、放射能を洗浄する新システムがアメリカ軍の空母に搭載されており、日本はアメリカに頼んで日本海の放射能を洗浄してもらった。

南北朝鮮は孤立することになった。アジアユニオンから追放され、中国から戦争勃発の責任を問われ、平壌にはミサイルを撃ち込まれて、すっかり国力を弱めた。

日本は国会で旭日旗を使うことを違法とする法律を通した。日本会議のメンバーは様々な抵抗をしてきたが、戦争をやっと未然に防いだのだから、日本会議も解散することになった。保守という考え方が、古いと理解できない右翼は、台湾の悪口を言ったり、アメリカにもっと媚びよと言ったり、憲法9条を改正して、日本も核武装せよと運動した。彼らにとって、安倍一強の再来こそが、目指すべき国の姿だったが、もうかつての安倍政権のような政権を望む声は、ごく少数だった。

アジアユニオンのリーダー国として、もっともっと国益のある政策をとり、国民、アジアの民族の幸福追求に、日本人は心を砕くのだった。

(終わり)

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